晩春を飾る椿

5月3日、晩春の椿を見に東京の神代植物公園椿園に行ってみました。初夏を思わせる陽気のなか、椿シーズンの最後を飾る花達との出会いがありました。
淀の朝日
明治12年の伊藤椿花集に載る古典品種、いわゆる江戸椿のひとつ。
椿花集では牡丹咲きの部にあり、朱紅横杢大リン、と記載。
上の淀の朝日の花寄せでは、右上に横杢の斑入りが見られます。
斑入り椿の特長で様々な斑入りになっています。
花色は、椿花集の朱という表現が表すように鮮やかな赤色です。
椿のなかで最後に咲くのは淀の朝日、
とは椿の先輩方から聞いています。
希少な品種のため、苗を探していた方もいました。
 
紅麒麟(こうきりん)
 
同じく椿花集に載る江戸椿のひとつ。
京牡丹の赤花。
 
京牡丹(きょうぼたん)
紅麒麟はこちらの品種の枝代わりの赤花。
京牡丹は江戸時代初期からあるといわれる貴重な古典品種。
神代植物公園には京牡丹もある。
 
蓮見白(はすみじろ)
 
昭和8年の川口、安行の皆川椿花園発行の椿花集に
新花として載る。
白菊との類似を指摘されるともいうが、
今、これだけ花をつけていることから、
白菊とは異なるように思われます。
皐月晴れのもと、こんなに美しく咲いた白椿に出会えました。
蓮見白のおかげです。
 
小泉不二男副会長からの椿便りです。 (令和7年5月3日)