日本ツバキ協会は新しく優秀古木椿の登録制度を設けました。全国のツバキ古木、名椿の台帳作り活動の一環です。
椿は古来から長寿の代名詞にされています。日本の各地に地元の人に愛されている巨樹椿もあれば、まだひたすら奥深い山の中でそっと咲き続けている古木椿も多いかと思います。近年の都市開発や地球温暖化の影響で、樹勢の弱っている椿も多いかと思います。日本ツバキ協会はそのような巨樹・古木のツバキをこれからも大切に保護していこうと、将来へ受け継いで行くにふさわしい、それぞれの地方、地域のそれぞれの優れた椿を「優秀古木椿」として認定登録しながら台帳作りをすることに致します。この制度は、先に発足しております新花品種登録制度とは異なり、各地方の会員みなさまからの調査報告を取りまとめるものですので、厳密な品種としての審査は行ないません。
登録の仕方としては、所定の書き方に従って、登録しようと思う名椿、古木椿、巨樹椿の特性を記入し、何枚かのわかりやすい写真を添えて、日本ツバキ協会学術部優秀古木椿認定登録委員会宛に届け出をして下さればいいのです。登録に関しても、特別な審査料、登録料などは必要ありませんので、積極的にこれはと思われる素晴らしい古木椿の調査を報告してくださればありがたいです。
登録に際して是非記入していただきたい項目につきましては登録用の手引きをご覧ください。概略は以下の通りです。
名称についてですが、地元での通称とか登録された名前のある古木椿の場合には混乱を避けるため、それを書いてください。まだ名前が無い様でしたら、わかりやすい名前をつけて下さい。基本的には所在地のわかるそれぞれの土地の名前をつけるのが一般的かと思います。たえば、水道橋公園椿、隅田公園散り椿、神保町斑入り椿・・・などがわかりやすいです。
そして、宣伝くさい、商売につなげようとか、そのような意図のあからさまな名前は避けてください。あくまでも、椿の名前として節度のある、おもむきのある名前をつけて届けてください。例えば、〇〇屋の羊羹椿、とか××市観光椿、とかは避けていただきたいと思います。この辺りにつきましては登録委員会の内部である程度は判断させていただきます。私たちの協会はあくまでも文化団体で、それなりの節度あることが必要だと思います。
樹高、幹周り、などの測定数値をわかる範囲で記入してください
樹齢はわかる範囲で大体の推定でご記入ください。不明とされても構いません。
花の特徴は通常の観察項目についてわかる範囲でお願いします
所有者がおいでの場合には、差し支えない範囲で、その方のお名前、寺院神社などでしたらそのお名前など、その名前を書いてください。個人情報なので困るという場合には、「個人所有」とか「〇〇組合管理」とか、大体のところで構いません。
故事来歴など、歴史的ないわれがある場合には、その内容を書いてください。
このリスト作りは後世のために記録を取りまとめることが趣旨ですので、審査料・登録料などはかかりません。毎年登録された古木椿についてはそのリストを会誌に取りまとめて掲載していきます。また、適宜優秀古木椿としての認定登録証と、公園や植物園で使われているような樹木用ラベル(見本デザイン参照)を差し上げます。

樹木用ラベル(見本)

学術担当理事 山口聰