遅咲き椿
過ぎ行く春を惜しむかのように、遅咲きの椿が見頃を迎えています。

衆芳唐子

江戸時代、今の東京の駒込駅近くの染井村は植木屋が多いことで知られ、その中の1つ衆芳園で作られたという品種。
刈り込みに強いので生け垣に向いていると聞いたことがあります。ほとんど見かけなくなった椿です。

熊谷

これも古くから伝わる古品種で、各地に古木があると聞きます。30年育てて5mを超えてきました。まだまだ大きくなりそうです。
深い赤の花が大輪で目立ちます。驚くほど花を沢山咲かせます。

黒椿

これもまた古品種の1つでいわゆる江戸椿です。
非常に花付きよく、初夏を思わせる晩春の青空に調和します。
江戸椿は遅咲きが多く、江戸の人たちも今頃の暖かな気候のなかで、椿を眺めたものでしょうか。
薩摩紅

風にそよぐ椿。
後ろは八重桜。
20年くらい前、日本ツバキ協会宮崎支部の事務局長さんと宮崎の椿を見て回った際、この薩摩紅(さつまくれない)の古木を何本も見ました。この椿は宮崎の椿だとその方は言ってました。さらに木ぶりが日本椿と異なるので、古い時代に中国椿と交雑して生まれたのではないかともおっしゃってました。
小泉不二男副会長からの椿便りです。 (令和7年4月19日)