「ツバキ・ヤマ」──椿が結ぶ、海を越えた物語

2025年11月27日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州マウント・トマに位置するブルーマウンテンズ植物園にて、「ツバキ・ヤマ(Camellia Mountain)」が、静かに、そして誇らかに開園の日を迎えました。

この庭園には、オーストラリアツバキ協会より提供・寄贈された貴重なものを含む、希少なツバキの数々が植栽され、そのコレクションは今もなお成長を続けています。一輪一輪が物語を宿し、咲くたびに世界のどこかで守られてきた時間の重なりを語りかけてきます。

主要な支援者や寄付者の温かな志に支えられ、「ツバキ・ヤマ」は将来、希少なツバキ品種を次世代へとつなぐ世界的な保存拠点となることが期待されています。それは、学術的価値にとどまらず、人と植物、国と文化を結ぶ象徴的な場所でもあります。

そして「ツバキ・ヤマ(椿山)」という名には、日本・石川県 野々市中央公園 椿山 に由来する、深い想いが込められています。
日本の一角で大切に育まれてきた「椿山」の名が、海を越え、異国の山々に受け継がれ、再び花を咲かせる——その事実は、ツバキが国境を越えて人の心を結び続けてきた証しにほかなりません。

世界の風土の中で生きる椿。
そして、世界とつながる日本の椿文化。

「ツバキ・ヤマ」は、今日も静かに語りかけています。
椿は、世界共通の宝であると。

 

野々市市 広報2月号掲載

椿山(TSUBAKI YAMA)

 令和7年3月9日(日)に本州で唯一の国際優秀ツバキ園である野々市中央公園の椿館・椿山にて行われた『東京国際ツバキ大会北陸方面プレコングレスツアー』がきっかけとなり、オーストラリアのシドニー王立植物園の一つであるブルーマウンテンズ植物園の新たな庭園が「椿山」と名付けられました。

ブルーマウンテンズ植物園は標高1,000メートルに位置する南半球で最も高地にある植物園で、オーストラリアで唯一ユネスコ世界遺産地域にあります。

新たにできた庭園は、椿のイラストがあしらわれた看板や職人技が光る石像など、日本を感じさせる美しい庭園です。

市花木であるツバキをきっかけに素敵なご縁をいただくことができました。オーストラリアに足を運ぶ機会があれば、是非訪れてはいかがでしょうか。

         令和8年4月9日 副会長 金子 雄

(ICS関係者および野々市市より御提供頂いた資料を元に作成)