品種登録制度とは

日本ツバキ協会で行っている品種登録制度とは、日本で育成されたツバキ・サザンカ及び近縁のツバキ類園芸品種の名称を整理し、新品種名称の登録制度を確立することを目的にした制度です。

新たに品種登録をしたい場合は、所定の手続きによって申請できます。申請された品種は協会の品種登録委員会で審査が行われ、審査の結果、品種登録に値すると判断され、その後登録手続きを行うと、「日本ツバキ協会認定新花〇〇号登録品種」として登録されます。(※すべての申請が登録される訳ではありません。)

品種登録申請は日本ツバキ協会の会員であれば誰でも行えます。
まだ会員でない方は、ご入会後に後申請してください。

※初めて品種登録申請をお考えの方は、ここをクリックしてお読みください。

品種登録までの流れ

申請者 日本ツバキ協会
申請

①申請書類一式を購入(1,000円)する。

②申請に必要な書類を整え、日本ツバキ協会品種登録委員会宛に、申請期間内(4月1日~10月31日)に送付する。

③審査料、1件あたり3,000円を申請期間内に納付する。

受理

正式受理を示す「受理番号」を記入した葉書が届く。

※提出された書類に不備があると受理できなかったり再提出を依頼することがあります。ご注意ください。

申請書類受付:

4月1日~10月31日

新種登録委員会で、書類と審査料の納入が確認された時点で正式な申請受理となる。

審査

予備審査:1月~2月

審査委員会:全国椿サミットの時期に行い、最終的な登録の可否について決定する。

審査結果を申請者に連絡。

登録

審査結果で登録可能な品種と認定され、新花登録を希望する場合は、登録料として1件当たり10,000円納付する。

登録料の納付を以って正式に登録完了とし、新花登録認定証発行する。

3月頃登録完了。

発表 全国椿サミット時に審査結果発表

申請方法と注意事項

1.申請準備

申請必要な書類一式を事務局から購入します。郵便振替に「品種登録書類代金」と書き事務局に入金します。折り返し以下の書類一式が郵送で届きます。

登録申請にあたって

日本ツバキ協会品種登録規程

・特性の測定・記録の手順と基準

日本ツバキ協会新品種登録申請書

新花登録申請用特性等記入表

JCS品種登録資料椿品種名20180620161409819

・返信用封筒

2.申請資料の作成

1.登録申請書概要書の作成

所定のフォーマット「登録申請書概要書」に記入します。

品種名を決める際は、品種名の重複を避けるためのに「既存品種名のリスト」参考にして下さい。

2.特性等記入表の作成

判る範囲での記入で構いません。すべての項目に付いて記入しなければいけないというものでは有りません。

3.写真(サービスサイズ以上で3枚以上)

花の特徴がはっきりわかるように、異なる角度から花の様子がわかるように撮った写真を用意します。花の正面、横、葉や枝も含めた全体の3ショットは必須。その他に必要に応じて花の特徴が伝わるようなショットを添えてください。

ピントが合った、サービスサイズ以上の写真を提出してください。

特殊なレンズを使ったり、加工処理はしないでください。

写真の裏面に、申請者名と申請品種名称を記入してください。

3.申請

1.以下の①②③の書類を返信用の封筒に入れて、申請期間内(4月1日~10月31日)に、日本ツバキ協会品種登録委員会宛に送付する。

① 登録申請書概要書

② 特性等記入表

③ 説明用の写真(3枚以上)

申請書類はお返ししませんので必要に応じて控えをとってください。

2.審査料の納入

振込先:日本ツバキ協会

郵便振替口座番号:00130-7-20900

振り込み表に「品種登録申請審査料」とお書きください。

金額:申請1件あたり3,000円

3.正式に受理されると「受理番号」を記入した葉書が届きます。大切に保管してください。

申請書の送付と審査料の入金後、3週間たっても葉書が届かない場合は事務局までお問い合わせください。

品種登録を申請するためには

品種登録委員会委員長 山口聰 (理事:学術担当)

2019.3.3

品種登録制度を整えるように会長からの指示があり、制度を仕立てて整備を続けてきました。2018年度いっぱいでおかげさまで80品種の新花登録が認められました。ここに改めて新花登録のポイントについて解説しておきます。

新しい椿を作ったり見つけたりした人は、ツバキ協会の会員であればどなたでも新しい名前をつけて自分の椿として登録できます。しかし、その間には多少の交通整理に当たる「審査委員会」を通らなければなりません。審査委員会は何十年と椿の育成、栽培、調査などに精通している、ベテランの方々4名と委員長の合わせて5名で構成されています。審査委員の賛成が過半数を超えて初めて登録となります。

登録申請の規定は協会のホームページにも掲載してありますが大事なポイントは、新花の定義にあっていること、および、当然のことですが申請する方が会員であることです。

規約の第2条(新花の定義と名称には次のように書かれています。新花は新規性が明らかで、その特性が安定しており、申請に際しての記載に適合していなくてはならない。2として、名称は。これまでに使用されていない新規のもので、かつツバキ類の品種名として適正でなければならない。その3として、名称を定めるにあたっては、商号その他、営利的な目的に利用される恐れのあるものは避けなければならない。
また、第5条(登録申請)では、会員で、新しい品種を育成し、名称を登録したいと希望するものは誰でもこの規定に従って登録を申請することができる。その2として新花登録の申請は、随時受け付ける。としてあります。

新花登録申請の基準や手順ついて

新花登録申請の基準や手順ついて少し細かく、くどく説明してみます。

審査基準の中で大事なポイントです。

新花登録の申請は日本ツバキ協会の会員であることが大前提となっています。従って日本ツバキ協会に新花登録申請を希望する場合、非会員の方はまず入会することが必要になります。

新花の定義と名称(このことについて審査しています)については以下のことをご理解しておいてください。

申請者が発見あるいは育成したものであること

育成とは交配して育てた中から選んだもの。
交配してなくても自分で播種して育てた中から選んだものも育成とします。
他の方が育てた実生などの中からご自分が特別に選んだものも育成の範囲として解釈しています。

枝変わりなどで特性が変化して、ある年数の観察ののち、特性が安定していることを確認したものも広い意味で育成に当たります。

自然実生、あるいは自生地で、今までにない特徴を示す個体を見つけ、何年かの観察ののち、形質などに新規性があり、既存品種とは明確に区別できるもの(類似の品種のないこと)(花、樹形など)も広い意味で育成としています。
形質などに安定性があること(何年間かの観察があること)
形質と申請に際しての特性記載が適正であること。
品種の名称が新規であること(今までに同じ名前のものがないこと)
品種の名称がツバキ類として適正であること。

品種の名称は商号その他営利的な目的での利用を意図していないもの。

特に大切なことは国際的に認められている品種登録の基準の、区別性(新規性)、均一性、そして、安定性が明らかなことなのです。区別性とは、今までの既存の品種とは明確に区別できる、つまり新規であることです。均一性とは、特に花のことですが一株の中で咲いているたくさんの花が同じ特性を示すことです。ただツバキの場合には、絞り咲の花のように色々な模様の花を咲かす場合もあり、その点については、考慮されます。安定性とは、毎年咲く花の特性が変わらないことや、挿し木などで繁殖しても、その特徴が斉一であって、バラつかずに伝わることなどが大切なのです。概ね以上のことについて総合的に評価しています。審査員の過半数の賛成で登録可となります。

ちなみに2018年度の登録申請件数は23件、うち登録可となったものは18件、5件は登録に至りませんでした。

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ご質問、ご相談がありましたら遠慮なくお問い合わせ下さい。

日本ツバキ協会事務局気付で,学術担当理事の山口聰宛で受け付けております。